水道、屋内配管用
年々、ビル建物の長寿化と水質の変化が進み、配管部材の高級化が望まれています。また、消防法の改正により、スプリンクラー用配管にもステンレスが認められ、水道、屋内配管用溶接ステンレス鋼管の需要も大きな伸びを示しています。
石油関係
石油精製、石油化学工業においては、その仕様環境が多様であり、耐食性、耐熱性、高温強度あるいは低温靭性などの要求により、オーステナイト系ステンレス鋼が幅広く使われています。
石油精製では、加熱炉用鋼管は高温高圧であり、強度設計上厚肉管が要求され、継目無管が一般的に使われています。
電力・原子力工業関係
火力発電、原子力発電の重要な部分の配管、熱交換器用ステンレス鋼管は継目無鋼管が使用されています。しかし基地内の配管部分には溶接鋼管も使用されています。
LNG関係
LNG 受入基地、液体プラントなどでは 6インチ~ 36インチの大口径オーステナイト系ステンレス鋼鋼管(SUS304、304L)が用いられ、溶接部の検査、靭性試験その他、厳しい仕様が要求されます
製紙工業
パルプ製造の黒液回収部の低 pH 部を除いて抄紙工程まで、メンテナンス改善の観点からオーステナイト系溶接ステンレス鋼管が大量に使用されるようになりました。
食品工業
特にビール業、乳業などの配管には、内面流体の停留防止の点から、また配管の美的観点から、内外面を #150 ~ #400 研磨仕上げした鋼管が多く使用されています。
半導体産業
半導体製造に当たっては、メガビットからギガビットへと高集積度化が進む中で、より高品質な継目無ステンレス鋼管が用いられるようになっています。
内面の粗さも 3.2μm 以下のBA管(光機焼鈍管)、0.7μm 以下の EP 管(電解研磨管)などが使用されています。管内面の清浄性も塵(パーティクル)、水分などのない管が要求されており、重要な部分にはオーステナイト系 (SUS316L) の二重溶解材が使われています。
耐久消費材用
OA 機器用としてロール用、シャフト用など精密部材としての用途、電磁弁やエアシリンダーなどへの用途があります。これらはオーステナイト系ステンレスの非磁性、または機械仕上げ後の高寸法精度などの特性を生かして、用途拡大がなされてきたものです。